世界一長い大根として知られるなにわの伝統野菜「守口大根」の長さを競うコンクールが、大阪府守口市役所で行われた。特製の植木鉢で長さ194センチの守口大根を育てた、八雲東地域コミュニティ協議会と八雲東コミュニティセンターの合同チームが初優勝を飾った。
守口大根は淀川沿いの砂地で栽培されていた大根で細長い形をしているのが特徴。豊臣秀吉が守口大根の漬物を気に入って「守口漬」と名付け広まったといわれる。平成19年になにわの伝統野菜に認定された。
市は守口大根の普及を目指して、秋に市内の学校や企業、団体、市民らに種を無料で配布。それぞれの手法で丹精込めて育てられた守口大根が市役所に集結し、長さを競った。
24年から始まったコンクールは、新型コロナウイルス禍での中止を挟んで11回目の開催。今回は20団体、12個人がエントリーした。卓上に並べられた守口大根は、長いだけでなく根が枝分かれした個性的な形のものもあり、審査員らが慎重に長さを計測した。
同協議会の野阪博美さん(71)は「過去2回は準優勝だった。3度目の正直で優勝できてうれしい」と笑顔。野阪さんらによると、栽培には約20人の住民らがボランティアで参加。ペットボトルをつなげて長さ約2メートルの筒状の植木鉢を作り、淀川の砂で栽培するなど自然に近い形で育てたという。野阪さんは「暑かったので育つか心配だったが、細く長く育ってくれた」と喜んでいた。