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戦前から戦後に活動した「元祖ローカルアイドル」 日本少女歌劇座の舞台を再現

産経ニュース 2024年11月26日 10時15分

戦前から戦後にかけ、奈良県大和郡山市に拠点を置いて活動した少女歌劇団「日本少女歌劇座」。各地を巡業するスタイルを取り、「元祖ローカルアイドル」として親しまれたが、現在ではあまり知られていない。そうした中、京都文教大総合社会学部の鵜飼正樹教授が同歌劇団の台本を見つけ、公演の再現を計画。80年近くのときを経て23日、同市の「DMG MORI やまと郡山城ホール」で当時の舞台がよみがえった。

日本少女歌劇座は、大正10年ごろに宝塚少女歌劇団(現・宝塚歌劇団)の影響を受け、大阪府東大阪市で日下温泉(同市)をPRする専属歌劇団として誕生。その後拠点を郡山町(現・大和郡山市西岡町)に移し、昭和32年ごろまで活動した。全国各地のほか、台湾や朝鮮半島、満州でも公演を行った。

再現公演は、同歌劇団について研究している鵜飼教授が、早稲田大学演劇博物館で同歌劇団の台本11点を見つけたことがきっかけ。元団員の石永美代子さんにインタビューを行ったところ、このうち22年の春期公演作品「生きてゐた英霊」に出演していたことが分かり、フィナーレの歌を口ずさんでくれたという。

「生きてゐた英霊」は、戦争で亡くなったはずの人が復員して生き別れになった家族と再会し、戦友と友情を育む-というストーリー。鵜飼教授の呼びかけで集まった県内のダンススタジオや合唱団のメンバーや劇作家らが、メロディーを譜面に起こしたり、ダンスを振り付けしたりしてフィナーレの場面を再構築し、上演することにした。

23日は約200人の観客が見守る中、ダンススタジオのメンバーが華やかなラインダンスを披露し、会場は大いに盛りあがった。また、鵜飼教授による「日本少女歌劇座の舞台」と題した講演も行われた。

訪れた奈良市の吉田響子さん(41)は、「衣装やダンスなど当時の雰囲気が再現され、手探りで舞台を作り上げる大変な努力が舞台から伝わってきました」と笑顔。鵜飼教授は「歌劇団がかつて大和郡山にあり、舞台文化というものを全国の人たちに伝え続けた大きな存在であったことを知ってもらいたい」と話している。

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