雨の中、迷子になっていた6歳の保育園児の男の子を交番に送り届けたとして、大阪府警生野署は16日、いずれも大阪市立巽東小学校2年の西井叶愛(とあ)さん(8)と都皇誠(こうせい)くん(8)、皇誠くんの弟で同小1年の一(いっ)誠(せい)くん(6)の3人に感謝状を贈呈した。同小の校庭で表彰式が行われ、同署の村岡修一署長は「3人の優しさと勇気に深く感謝します」とたたえた。
同署によると、3人は11月16日午後4時ごろの下校途中に、大阪市生野区巽中の公園前で、雨が降る中、傘を差さずに1人で泣いている男の子を見つけた。
男の子は約1時間前、親が寝ている間に家を出て、約900メートル離れた公園に来たが、帰り道が分からず、迷子になっていたという。
■「困ったときは交番」思い出し
3人は男の子に「大丈夫? ママは?」などと声をかけ、「大丈夫やで」と励まし続けた。叶愛さんは「困ったときは交番」という母親の言葉を思い出し、一緒に近くの巽東交番へ。その後、警察が母親の元へ送り届けた。男の子にけがはなかったという。
■「将来は警察官」
表彰式は全校児童425人の前で行われ、3人は村岡署長に1人ずつ名前を呼ばれ、少し照れくさそうに壇上へ。感謝状を受け取った皇誠くんは「男の子がちゃんと帰れてよかった。これからも困った人がいたら優しくする」と決意を語り、一誠くんは「自分が迷子になったときに助けてもらったことがあったから『助けないと』と思った」と振り返った。
叶愛(とあ)さんは「小さい子が泣いていて、かわいそうだったので、声をかけた。将来は警察官になりたい」と夢を語った。