コンビニエンスストアの上に乗ったような富士山が撮影できる人気撮影スポット「富士山ローソン」で、山梨県富士河口湖町の渡辺英之町長は29日、外国人観光客による危険な道路横断が続くことへの対策として、新たにコンビニ側にも柵を設置することを明らかにした。一方で、全体的にマナーが改善しているため、8月に外した目隠し幕については「現状では再設置する予定はない」と語った。
このほどコンビニと柵の設置で合意し、年内にも工事を終える予定だ。コンビニの道路を挟んで反対側の歩道にはすでに道路横断を防ぐための高さ80センチの柵がつけられているが、コンビニ側から道路に出て撮影したり、行き来する人もいる。この対策としてコンビニにも長さ6メートルの柵を設置する。
さらに、横断歩道を目立たせるために、色を変更することも警察と協議しているという。
同町船津の「ローソン河口湖駅前店」は、SNSで「富士山ローソン」と紹介され、約2年前から外国人観光客の人気撮影スポットとなった。特にコンビニ向かいの歯科医院前からの撮影に人気が集まったが、ごみのポイ捨て、歯科医院私有地への入り込みなどのマナー違反が相次いだ。これに対し、同町は5月、歯科医院側の歩道に目隠し幕を設置し、横断防止の柵も設置していた。
8月に台風の接近を受け、幕を外したが、マナー違反も減少していることから、幕は再設置していなかった。ただ、撮影のために自動車が行き交う道路を横断するなどの危険行為も一部で残っているため、道路の両サイドに柵を設置して、危険な横断を防ぐ考えだ。
渡辺町長は「きれいな富士山をみてもらいたい」と語り、幕の再設置ではなく、問題になっている道路横断に対処する判断をしたという。