一般社団法人の日本自動車連盟(JAF)は、歩行者が渡ろうとしている信号機のない横断歩道での車の一時停止率の結果を公表した。令和6年の調査では滋賀県内の一時停止率は68・6%と過去最高を記録し、全国平均(53・0%)を2年連続で上回った。JAF滋賀支部は「いまだに3割以上が一時停止していないという現状がある。引き続き、浸透を図りたい」としている。
調査は8月7~28日の平日に、信号機がなく一定の交通量が見込まれるなどの条件に見合った県内2カ所の横断歩道で実施された。
滋賀の一時停止率は、元年が11・3%▽2年は18・7%▽3年は20・7%▽4年は33・3%▽5年は46・3%-と年々向上しているが、一時停止率の公表が始まった平成30年から令和4年まで、5年連続で全国平均を下回っていた。5年に初めて全国平均を超え、6年は15・6ポイント上回った。
6年の一時停止率1位は長野で87・0%。石川(80・9%)、岐阜(75・2%)などが続いた。最下位は富山の31・6%だった。
周知活動が効果「100%目指す」
JAF滋賀支部事業課の村岸利教(としのり)課長(52)は滋賀が2年連続で全国平均を上回った要因として、周知活動の効果をあげる。
JAFでは日本自動車販売協会連合会滋賀県支部などと協力して令和5年度から、横断歩道に注意を呼び掛けるのぼり旗を掲示。村岸課長は「滋賀県立彦根工業高校の生徒にもイラストを描いてもらうなどした。広く周知できたのではないか」と話す。
県民総ぐるみで取り組む「横断歩道利用者ファースト運動」も効果が出ているという。村岸課長は「元年度から日本自動車販売協会連合会滋賀県支部と、5年度から県警とも連携して展開してきた。その成果が出てきた」と指摘。そのうえで、「今後も歩行者優先の意識浸透を図る運動を継続していく。なかなか難しいが、一時停止率100%を目指したい」としている。