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19年ぶり「八坂礼拝講」 八坂神社と延暦寺、神仏習合の儀式

産経ニュース 2024年7月20日 20時59分

祇園祭を開催中の八坂神社(京都市東山区)は20日、天台宗総本山延暦寺(大津市)と合同で国家安寧と疫病退散を祈る神仏習合の儀式「八坂礼拝(らいはい)講」を同神社本殿で営んだ。両者による儀式は平成17年以来19年ぶり。

式には大樹孝啓(おおきこうけい)天台座主(100)が参列し、世界平和を祈る祭文(さいもん)を読み上げた。続いて僧侶が独特の節回しで法華経の問答を行い、神職と僧侶がともに疫病退散などを祈った。

八坂神社はかつて「祇園感神院(かんしんいん)」「祇園社」と呼ばれ、延暦寺の末寺として天台宗と深い関係があった。平安後期の文献には、祇園社で「法華八講」と呼ばれる神仏習合の儀式を営んだとの記録が残っている。江戸時代まで行われていたが、明治の神仏分離政策で途絶えた。

八坂神社の野村明義宮司(65)は「令和の疫病に対抗できるような祭りにしたいという思いで仏様とのご縁をいただいた。今後もこの祈りの形を整えていきたい」と話した。(田中幸美)

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