全国の朝鮮学校の児童生徒ら約120人が18日、北朝鮮に向かうため、羽田空港から中国へ出国した。北京経由で北朝鮮入りする見込み。来年1月に平壌(ピョンヤン)で開かれる迎春公演に参加する。公演は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記も参列するとみられ、正恩氏をたたえる歌劇などが行われる可能性もある。
この日、羽田空港を出発したのは朝鮮学校の児童生徒と引率担当者ら約120人。児童生徒らはジャージーなどの軽装で、教員らとともにスーツケースや段ボール箱の荷物を運んでいた。税関の荷物検査などを経て午後の便で出国した。
引率する京都朝鮮中高級学校長は産経新聞の取材に「迎春公演に参加する」と説明。朝鮮学校の児童生徒らは「在日朝鮮学生少年芸術団」として参加し、歌劇や楽器演奏などを披露するため、現地で練習を重ねて来年1月の公演に備える。校長は「5年ぶりの訪朝。子供たちが楽しみにしている機会がやっと訪れた。祖国の地で祖国の方々とともに過ごす時間を楽しみたい」と話した。
迎春公演を巡っては過去に生徒らが「元帥さまだけを最後まで信じて従う愛国の柱に強く育ちます」などと誓う場面が朝鮮中央テレビで放映。大阪府が補助金支給を見送った経緯もある。
また、北朝鮮は、ロシアによるウクライナ侵略に加担し、派兵するなど国際社会で批判が相次いでいる。ウクライナへの派兵について校長は「ノーコメント」とした。