東京都美術館（台東区）で１４日から２１日まで開催される「２０２４産経ジュニア書道コンクール」（産経新聞社、産経国際書会など主催）で、松戸市の坂入悠太さん（１３）＝同市立第一中２年＝が千葉県知事賞を手にした。
春先に書道塾の岡田崇花先生から将来の夢を問われ、「別に何も決めていないけれど、有名にはなりたいな」と答えた坂入さん。先生は「ならば、このコンクールの課題『青雲大志』がぴったりだ」と出品を勧め、坂入さんは将来を考えながら字の練習を始めた。
最初こそ「簡単」と思って紙に向き合ったが、各画の太さや細さが変化に富み、横線の１本１本も方向や長さが違う…。坂入さんは見通しの甘さを痛感した。
「特に『大』の左はらいは『青雲大志』全体のバランスを決めてしまう気がして、１００枚以上練習し、コツやリズムをつかみました」。出品の締め切り間近には、はねやはらいの方向や長さも、自分の意図通りに表現できるようになった。
中学校では吹奏楽部に所属し、遅くまで練習の日々。「両立は大変でも、書道は僕にとって〝別腹〟。筆を持つと気持ちをリフレッシュでき、上手になると楽しくなるから」と語る。
受賞を機に、「『青雲大志』の心意気でコツコツと実力を高めたい。書道の先生も将来の選択肢の一つかな」と前を向いた。
（高橋天地）