興福寺(奈良市)の中金堂と南円堂休憩所で22日、京都市在住の切り絵作家、望月めぐみさんの作品展が始まった。中金堂ゆかりの龍を表現した作品が飾られている。24日まで。
望月さんは東アジアの神話や古代思想をテーマに制作し、寺院や茶室などで大型作品を展示している。興福寺は猿沢池の龍神伝承など龍と縁深いことから、辰年に合わせて作品を披露することにした。
中金堂では長さ15メートルに及ぶ作品「千鱗飛龍(せんりんひりゅう)」などを披露。南円堂休憩所では同寺の仏前に飾られた楽器の華原磬(かげんけい)(国宝)を表した作品を展示する。龍が絡み合う複雑な造形を和紙に刻み、組み上げることで表現しており、精緻さが目を引く。また、阿修羅(あしゅら)像(国宝)を実物大で表した作品もある。
望月さんは「造形にほれ込んでいる華原磬があるお寺で念願がかない、とても幸せです」と話している。