栄養価が高く、手軽に食べられることで人気のナッツ。定番のアーモンドやクルミ以外にも、世界にはさまざまなナッツがある。
横浜・みなとみらい地区にある「Groovy Nuts Cafe(グルーヴィナッツカフェ)」は、7月にオープンしたばかりのナッツ専門店だ。
オーナーは元映像プロデューサーの佐川一郎さん(49)。東京五輪招致のプレゼンテーション映像制作に参加した経歴を持つ。
「海外で撮影中、アスリートがナッツを食べていたのが印象的で。日本にまだないタイプのナッツ専門店を作ろう、と」。そう思い立った佐川さんは平成26年、東京・中目黒に1号店を開店。世界中から集めたナッツの量り売りや、風味をつけたフレーバーナッツなどを販売し、人気店に。鎌倉(神奈川)にあった2号店をみなとみらいに移すのを機に、業態をカフェにして料理の提供も始めた。
店にはアーモンドだけで作る「自家製アーモンドバター」の機械があり、作りたてを販売。カフェのメニューでは、トーストやサラダ、夏はかき氷などで楽しむことができる。
「ナッツバタートースト」(700円)は、横浜の老舗ベーカリーの食パンをこんがりと焼き、アーモンドバター、手作りのブルーベリーコンポートと、スライスアーモンドをトッピング。香ばしさとクリーミーさが際立つねっとりとしたアーモンドバターとさっぱりジューシーなブルーベリーは相性ぴったりだ。
佐川さんによると、普段の料理もナッツを加えると風味が深まる。「パスタのトマトソースにアーモンドバターを加えたり、青菜のおひたしに砕いたナッツをトッピングすることでコクや食感が楽しめます」
好みの味を探して
店では約20種類のナッツを好みで組み合わせ、1グラム8円で購入できる。原価はそれぞれ異なるが、値段を気にせず自由に選んでほしいとの思いから、価格をそろえて量り売りにした。
1粒約3センチ、マカダミアナッツのような食感の「ブラジルナッツ」や、カリッとした歯応えの「サチャインチナッツ」など、初めて目にするものも多く、選ぶのが楽しい。
ほかにも、自家製ベーコンと一緒にナッツを炭火でいぶした「ベーコンスモークドナッツ」など、フレーバーナッツは7種類ある。
栄養を手軽に
天然のサプリメントと呼ばれるほど、ナッツは栄養に富む。例えばアーモンドは、ビタミンE、ビタミンB2、食物繊維、マグネシウムに加え、悪玉コレステロールを抑える不飽和脂肪酸が多く含まれる。
糖質吸収が穏やかな「低GI」食品としても注目され、ナッツを楽しむ人は増えた。調査会社の富士経済によると、令和5年のテーブルナッツ(ナッツ類)の市場規模は434億円となる見込みで、10年前の1.4倍以上に拡大した。
佐川さんは、「日本でも縄文時代からクルミなどが食べられてきた。自然の恵みをシンプルに味わうことの喜びを多くの人に知ってもらいたい」と語った。(本江希望)