10月12~14日に茨城県ひたちなか市で開催された白バイの運転技能を競う「第54回全国白バイ安全運転競技大会」に、千葉県警交通機動隊の男女5人が出場した。県警は個人競技2種目で準優勝に輝くなど優秀な成績を収めた。29日には千葉県警本部で上位成績者3人の表彰式が行われ、隊員らは今後のさらなる飛躍を誓うとともに、交通安全への思いを新たにしていた。
同大会は昭和44年から警察庁主催で開かれ、全国の都道府県警から選び抜かれた白バイ隊員が男性4種目、女性2種目で技術を競う。今年は男性が約100人、女性が約50人参加した。
篠塚匠巡査長(29)は、走りづらい土のコースで迅速かつ安全に運転できるかを競う「不整地走行操縦」で2位となった。災害時には欠かせない重要な技術だ。県警が同種目で入賞(3位以内)するのは28年ぶり。篠塚さんは「ミスに気を付けつつ、弱気にならないような心構えで臨んだ。県警の皆さんの応援を思い出し、緊張や不安を感じずに走ることができた」と笑顔を見せた。
坂部康樹巡査長(28)は、あらゆる道路形状でも転倒することなくバランスを保って走れるかを競う「バランス走行操縦」で準優勝。「昨年は自分の技術不足で思うような成績を残せず、悔しい気持ちがあった。結果を出せてよかった」。訓練中に骨折するなどの苦難を乗り越えた。
箱根駅伝で先導していた白バイ隊員にあこがれて入隊した能勢梓巡査長(25)は今大会、曲線のコースを正確に走行する技能を競う「傾斜走行操縦(スラローム)」で6位、総合では9位に輝き、昨年の総合最下位から大躍進。「課題と向き合って練習した。自分らしい走りができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
3人に賞状を手渡した川口光浩交通部長は「さらに腕に磨きをかけ、培った技術を生かして交通安全や後進の育成に励んでほしい」と激励した。
来年も大会に挑戦する能勢巡査長は「2人の結果を超えられるように一生懸命が頑張る」と強調。坂部巡査長は「県内の交通死亡事故抑止という最大の目標に向けて、培った経験を後輩の指導にもつなげたい」と語った。(松崎翼)