春日大社(奈良市)の末社・夫婦(めおと)大国(だいこく)社のこけら葺(ぶ)き屋根の葺き替えが完了したことを祝い、祭神の姿を写した御前立(おまえだち)の像が公開されている。30日まで。修理の間仮殿に移っていた祭神が戻ったことを記念する特別御朱印も、来年3月末まで授与される。
夫婦大国社は大国主命と須勢理姫(すせりひめ)命の夫婦を祭る国内唯一の社とされる。夫婦円満や縁結びの神様として信仰を集め、ハート形の絵馬でも知られる。
建物は若宮神社のお供えの調理場として創建され、後に夫婦大国も祭られるようになったという。重要文化財に指定されている建物は今回、屋根が葺き替えられてよみがえった。
御前立の公開は9年ぶり。建物内では祭神の前で御前立が納められた厨子(ずし)が開かれ、夫婦で並ぶ像を拝することができる。須勢理姫命は手にしゃもじを持ち、頭に飯桶を掲げる姿だ。特別御朱印はこれにちなんでしゃもじがあしらわれている。特別御朱印の初穂料は500円。
春日大社の広報担当者は「社が美しくなったことに合わせ、久しぶりに御前立を拝むことができるので、ぜひお参りいただきたい」と話している。