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淡路島-徳島の「大鳴門橋」に自転車道 令和9年度の完成に向け起工式

産経ニュース 2024年7月24日 6時30分

兵庫県南あわじ市(淡路島)と対岸・徳島県鳴門市を結ぶ「大鳴門橋自転車道」の起工式が22日、徳島県鳴門市で行われた。式典には斎藤元彦・兵庫県知事と後藤田正純・徳島県知事ら約30人が出席。総事業費58億円で令和9年度の完成を目指しており、関係者らは工事の無事を祈るとともに、新しい自転車道が地域活性化の起爆剤となるよう期待を寄せた。

大鳴門橋自転車道は、大鳴門橋の車道下部分を活用。徳島県側にあり、同じ部分を使う観光遊歩道「渦の道」は残す。

延長は約1・8キロ。幅9・6メートル、高さ9・66メートルのスペース内に、歩行者も利用可能な全体で幅4メートルの道を整備する。このうち自転車道として使う部分は幅2・5メートル、歩道は1・5メートルで、ともに有料。災害時には緊急避難路としても活用できる。総事業費58億円のうち、兵庫県が30億円、徳島県が28億円を負担。「渦の道」も含め、年間最大約75万人の利用を見込む。

兵庫県によると、大鳴門橋の「下部分」を自転車道として活用する計画は古くから持ち上がってはいたが、令和元年に安全性が確認されたため、事業実現に至った。

自転車愛好家の間では、「アワイチ」として淡路島一周約150キロを走破するコースが定着。各関係者は自転車道を実現させてさらなる観光・地域振興に生かしたい考えだ。サイクリストだけでは、年間約9万人の利用を見込んでいるという。

今後、淡路島や周辺地域では、2025年大阪・関西万博のほか、その2年後には生涯スポーツの世界大会「ワールドマスターズゲームズ2027関西」が開催。世界レベルでの催しが続くなど、追い風が吹いている。

22日には「渦の道」で関係者約30人が出席して起工式が開かれた。後藤田知事は式辞で「開通後は世界に誇る渦潮を眼下に鳴門海峡を往来でき、兵庫県の『アワイチ』と四国一周ルートが結ばれる」と力説。一方、斎藤知事は災害時に活用できる点を踏まえながら「観光と防災の両面を併せ持つことが、この自転車道の大事な役割。地域全体の活性化につながるようにしたい」と述べた。

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