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令和に新たな「零戦」再現 3万円の盆栽プラモも 模型ショー、多彩な商品集め12日開幕

産経ニュース 2024年10月11日 18時31分

全日本模型ホビーショーが12日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開幕する。11日には関係者への内覧が行われ、各社が出展するプラモデルの魅力をアピールした。

ファインモールドは12月出荷予定の「1/48 零式艦上戦闘機五二型」(4950円)を出展。同社はさまざまな戦闘機のプラモデルを発売してきたが、日本の代表的な戦闘機である零戦(れいせん)について、売れ筋の48分の1スケールで投入していなかったという。同社は零戦を「当時の日本における最高峰の工業技術の結晶」と位置づけ、新しい金型加工設備の導入などによる設計・加工技術の向上を待ち、満を持して零戦を投入する。零戦のプラモデルはすでに各社が出しているが、ファインモールドは左右の翼を分けず、つながった1つのパーツにするなど、「組み立てやすさ」を重視して差別化をはかる。

米国の最新鋭戦闘機も

戦闘機ではタミヤが、現代の米最新鋭戦闘機のプラモデル「1/48 ロッキード マーチン F-35C ライトニングⅡ」(12月発売、1万450円)を出展。C型は「F-35」のうち、航空母艦上での発着艦性能を向上させたタイプだ。また、1960年代から戦車のプラモデルを販売している同社は、11月に発売する「1/35 ドイツⅠ号戦車B型」(3520円)を出展。第一次世界大戦に敗れたドイツが初めて量産した戦車で、「ミリタリーミニチュアシリーズ」の388番目の商品となる。マドリードの博物館に、スペイン内戦で使われた〝実機〟が残されており、現地取材に基づいて再現したという。

タカラトミーは、5月に新たに発表した大人向けブランド「T-SPARK」の商品を展示。購買層は「お金をある程度自由に使える30代が中心層」(担当者)だという。今後も同ブランドに導入するIPコンテンツを増やす方針だ。同社グループのトミーテックは、線路上を走る鉄道玩具プラレールの高級モデル「プラレールリアルクラス」を展示。同社の担当者は、「通常のプラレール製品より価格は高いが、車体の細部まで緻密に再現されている点が好評だ」と話した。

木製模型を手掛けるウッディジョーは、新発売の「福山城」(1/150、3万5200円)などのお城、お寺の五重塔などを出展。城郭では姫路城、五重塔では法隆寺が人気で、「海外からの引き合いも増えている」(担当者)という。米エミー賞受賞が話題になったドラマ「SHOGUN 将軍」に日本の城郭が登場したことも影響している可能性があるという。木製模型の購入層について担当者は、「模型をじっくりと組み立てて、余暇を楽しんでいる年配の方が多い」と話す。

「ガンプラ」は45周年を記念

アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する人型兵器「モビルスーツ」のプラモデル「ガンプラ」を展開するバンダイスピリッツは、1980年7月に発売された第1弾「1/144 ガンダム」を現在の技術でリメークした復刻版「ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム (REVIVAL Ver.)」(1320円)を出展。来年のガンプラ45周年を記念したモデルで、模型ホビーショー開幕の12日に発売する。同社の変わり種では、盆栽のプラモデル(3万800円)を展示。これは鉢と苔(こけ)の生えた地面、枝、葉の部品から構成する。11日にネット販売の受け付けを始め、来年3月から順次発送する。同社にとっても植物のプラモデルは初めてという。インバウンド需要を意識しており、コラボするアパレルブランドのNEIGHBORHOODは、米国内の店舗でも販売する予定だ。

模型ホビーショーは12、13の両日に開催。いずれも午前9時半からで、12日は午後5時半まで、13日は午後4時半まで。前売り券は1000円、当日券は1200円で、中学生以下は無料。(高橋寛次、重川航太朗)

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