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「新しい祈りの空間の試みが評価」 奈良・聖林寺観音堂が世界的デザイン賞受賞

産経ニュース 2024年6月30日 9時30分

「天平の美仏」として知られる国宝・十一面観音菩薩立像(ぼさつりゅうぞう)を祭る聖林寺(しょうりんじ)(奈良県桜井市)の観音堂が、世界的なデザイン賞「iFデザインアワード2024」を受賞した。

観音堂は収蔵庫として昭和34年に建てられたが、老朽化が進み、現在の耐震基準に合わなくなったことから免震機能を備える改修工事を実施。令和4年から新たな観音堂で拝観を再開した。

半球型の天井は天蓋(てんがい)(頭上の覆い)を表し、観音像は「ガラスの厨子(ずし)」に納められてあらゆる角度から拝観できる。さらに、ガラスは透明度が高く隔たりがない祈りの空間となっている。

今回は約70カ国から1万点超の応募があった中での受賞といい、設計した会社の代表、北川典義さんは「像と向き合える新しい祈りの空間の試みが評価されたのだろう」と話す。また、聖林寺の倉本明佳住職は「観音堂がこれだけ評価され、改修を頑張ったかいがあった。最高のお堂に仕上がり、観音さんが私たちを導いてくださったのだろう」と語った。

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