「ウサギは繊細な動物」といわれるが、店名同様、店主の佐藤詩織さん(37)が作るうどんは太いが繊細だ。トッピングの巨大げそ天が人気で、明るい店内は女性1人でも気兼ねなく入店できる。接客担当の夫、義人さん(46)は、バーテンダー出身なので、お酒のメニューも充実している。
戸建て住宅のような外観で見過ごしてしまいそうだが、ドアを開けると板張りの明るい店内が視界に飛び込む。靴を脱いで入る。
透き通っただし汁をかける「かけうどん」(あつあつ、ひやひや、ひやあつ)、濃いめのだし汁の「ざるうどん」、しょうゆと大根おろしで食べる「醤油うどん」(ひや、あつ)とメニューはシンプル。季節ごとのうどんもある。
うどんの量は、小(150グラム、400円)から大(450グラム、700円)まで4種類。汁とうどんが温かい、かけうどんの「あつあつ 並」(200グラム、500円)を注文した。
天ぷらのトッピングも選べ、巨大さで同店名物となっている赤イカを使った「げそ天」と「チーズはんぺん」(共に200円)を別皿先出しでお願いした。げそ天は、うどん椀の直径より大きい。コップに入ったハサミが添えられ、切って食べる。塩とコショウ椒のシンプルな味付けは運転しないならビールに合う。
うどんは太目で、もっちり感がある。粉は香川産のほかに、岩手産の「もち姫」をブレンドする。詩織さんは「うさぎは食べなくなるとすぐ死んでしまうほど繊細。もち姫も、日によってうどんの食感が違うほど繊細な粉です」と語る。だしは、いりこのほかに、利尻昆布と削り節を使い「時間をかけて透き通った汁にする」という。
音大出身の詩織さんはバーにピアノの弾き語りに行き、働いていた義人さんと出会う。2人でうどん店巡りをし、詩織さんが東京都東村山市の名店「手打ちうどん こげら」で修行。店名は2人が好きな動物のウサギから命名し、今年2月にオープンした。
そのため、ウサギがプリントされたTシャツ(4000円、グリーン、グレー)やステッカー(200円)を販売している。
「毎日来られる店にしたいですね」と詩織さん。取材日には浦和区から自転車で来た美容師もいた。マスターの会話も楽しく、昼時だけでなく、仕事帰りにも寄っていきたくなる。(昌林龍一)
うどん うさぎ
住所:さいたま市緑区原山1の3の3
住所:電話なし。X(旧ツイッター)、インスタグラム、ともに「Furicake3」
観光メモ
大規模緑地空間「見沼たんぼ」にあり、市内に伝わる伝統的な建造物を移築復元て保存をはかる野外博物館「浦和くらしの博物館民家園」が見どころ。国登録文化財で大正8年建築の「旧浦和市農業協同組合三室支所倉庫」や安政年間建築の旧高野家住宅などが復元され、過去の生産・生活用具を中心にした民俗資料を展示。国道463号沿いの「うどんうさぎ」からは同道をバスや車でアクセスできる。【問】同館(048・878・5025)。