和歌山県農作物病害虫防除所(紀の川市)は、ガの一種で幼虫がモモ、スモモ、ナシの果実に被害を及ぼす「ナシヒメシンクイ」について、県北部に病害虫発生予察注意報を出した。記録に残る平成26年以降、発生率と枝の被害率が最も高いという。
ナシヒメシンクイは4~9月に幼虫が新たな枝や果実に食害を引き起こす。食害が発生した枝は枯れるなどの被害が出る。特に果実の中に潜り込むため、薬剤による駆除の効果が低いという。
県北部のモモの畑10カ所を6月中旬に調査したところ、うち8カ所でナシヒメシンクイが確認され(発生率80%)、枝の被害率は2・8%だった。平年の発生率は27%、枝の被害率は0・7%で、いずれも大きく上回り、注意報が出された。同防除所は「幼虫が潜り込む前の防除に重点を置き、被害が出た部分は速やかな除去を」と呼びかけている。