令和13年に奈良県内で開催が予定されている国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会に向けた新アリーナについて県は27日、県立医科大付属病院付近に設置予定の近鉄橿原線新駅西側の土地(橿原市四条町)を整備予定地に決定したと発表した。約1キロ南の県立橿原公苑(同市畝傍町)と比較検討した結果で、山下真知事は「新駅が目の前にあり、集客力が高まる」と説明した。
整備予定地は県有地と市有地の計約3万平方メートル。スポーツとエンターテインメント、防災の機能を持たせるとし、今後は整備基本計画の策定を進める。総事業費は約250億円。
新アリーナを巡っては、県立橿原公苑の老朽化した体育館を解体して整備する案を検討していたが、新たに新駅西側に整備する案が浮上。敷地条件▽スケジュール▽アクセス▽整備効果▽整備費用-の5つの観点で比較したところ、100点満点中、新駅西側が81点、橿原公苑が73点となった。
駐車場は、橿原公苑に490台のスペースがあるが、新駅西側に整備した場合はこれに加えて300台以上が利用できるようになるという。また、新駅の整備効果が高まるなどのメリットもあり、学識経験者らからも意見を受けた上で決めた。
山下氏は記者会見で「スポーツの試合のほか、コンサートなどでも訪れやすい。スポーツやイベントの中心地となることが期待でき、中南和地域の活性化にもつながる」と話した。