「おんぱらさん」と呼ばれて親しまれている奈良県桜井市の綱越(つなこし)神社で31日、夏の例祭(おんぱら祭)があり、神馬(しんめ)引きや茅(ち)の輪くぐりなどで参列者らが無病息災を祈った。
おんぱら祭は、夏を元気に過ごせるよう祈る「夏越(なごし)の祓(はらえ)」の祭典で、7月30日に宵宮祭があり、この日の例祭では、神職が大祓詞(おおはらえのことば)を唱える中、古式にのっとり神馬が本殿の周りを3周。そのあと神職らに続いて参列者らが、古歌を詠唱しながら境内に設けられた茅の輪をくぐって無病息災を祈願した。8月1日には後宴(ごえん)祭が営まれる。
同神社は、大神(おおみわ)神社の摂社で延喜式神名帳(じんみょうちょう)に記載される古社。「夏越」が訛(なま)って「綱越」の社名になったとも言われ、「おんぱら」も「お祓(はら)い」の転訛(てんか)とされる。