和歌山市の和歌山城で5日、テレビ東京が制作する番組「緊急SOS！池の水ぜんぶ抜く大作戦」の撮影が行われた。堀の一部は水がほぼなくなり、市内外から集まったボランティア約100人が、清掃や生き物の捕獲調査を行った。
市は、番組撮影に合わせて普段は見ることができない水面下にある石垣の調査を行う、と番組を誘致。市が復元を計画する二の丸の北側にあった「北辺櫓群」付近の石垣の状態などを確認し、今後の詳しい調査に生かす。
この日、参加者らは足先から胸付近まである「胴長」を着用して作業を行った。調査では、コイやカメなどの生き物のほか、江戸時代の瓦なども多数見つかったという。
一方、人気番組の撮影の様子を見ようと、大勢の市民らが訪れ、堀のすぐそばの歩道は一時混雑し、警備員や警察官が立ち止まらないように誘導した。
中学生だった昨年1月に和歌山城に関するシンポジウムで尾花正啓市長に番組誘致を直談判した紀の川市の高校2年、三林幸之助さん（17）もボランティアとして参加。「城好きのきっかけとなった和歌山城の普段見れない場所を見ることができた。番組での調査をきっかけに城の魅力が広く知られ、早期復元につながれば」と期待を込めた。