大阪府の吉村洋文知事は26日、パリ近郊で開かれた博覧会国際事務局(BIE)総会に出席した。来年4月に開幕する2025年大阪・関西万博について各国代表を前に英語でスピーチし、テーマの「いのち輝く未来社会のデザイン」を念頭に「未来社会の羅針盤を示す」と意義を強調。成功に向けて「総力を尽くす」と訴えた。
総会への出席は、大阪が25年の開催地に決まった18年11月以来。吉村氏は大阪市長だった当時を振り返りながら「開幕前の最後の総会で、大阪府知事としてプレゼンテーションできることを光栄に思う」と述べた。
万博では、大阪府市や経済界が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」などを通じ、ライフサイエンスやヘルスケアの最新技術を紹介するとアピール。府内の市町村が協力するイベントでだんじりやみこしを披露し、来場者が祭りの「活気や迫力を体験する」機会になると売り込んだ。
万博を取り巻く世界情勢にも触れ、「新型コロナウイルス禍を乗り越えた今も世界では食料危機や気候変動、紛争で『いのち』の大切さが問われている」と訴えた。
吉村氏に続いて登壇した大阪市の横山英幸市長はインフラ整備について「災害が発生した際の万一の交通アクセス寸断」などを想定し、来場者の避難経路や一時避難所の確保に向けて準備していると説明した。(パリ 三井美奈、写真も)