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京都の老舗和菓子店主らが「道」をテーマにした展覧会

産経ニュース 2024年6月30日 10時0分

京都市内を中心とした老舗和菓子店の主人有志らでつくるグループ「山水會(さんすいかい)」が結成25周年を迎え、京都文化博物館(同市中京区)で、お菓子の展覧会を開いた。「お菓子はいつでもたのしい」を合言葉に、「道」というテーマで各店が創作した菓子や歳時記にちなんだ菓子などが展示された。

山水會は平成11年、当時30歳前後の老舗和菓子店の後継者らが百貨店の催事などで顔を合わせ互いの悩みなどを打ち明けるうちに、情報交換や交流の場の必要性を感じて5人で立ち上げた。メンバーは徐々に増えて現在は12店となった。

「亀屋良永」(京都市中京区)の下邑修さんによると、メンバーにライバル心はあまりなく、貪欲に菓子への探求心だけで一緒にやってきたという。四半世紀の間、菓子をとりまく状況も変化したが、下邑さんは「できるだけ若い人に和菓子に目を向けてほしい」と話す。

展覧会場では和菓子にまつわるトークショーも行われ、高島屋全店を担当する和菓子バイヤーの畑主税(ちから)さんと、JR京都伊勢丹の和菓子担当の片山善誉(よしたか)さんが参加。畑さんは、新型コロナウイルス禍で思うように外出ができなかったことなどから、「季節のものを食べる気持ちが高まり、全国的に生菓子の供給が需要に追い付かない」と現状を報告。片山さんも「ただ売るだけでなく、歳時記の菓子は食べる理由や伝統を知ってもらって食べていただきたい」と訴えた。

また、畑さんは「百貨店はアイコン(象徴的なもの)であって、最終的には本店に足を運ぶようにしてもらいたい」と力説した。

同会の今西善也会長(鍵善良房)は「たくさんの人にご来場いただき、お菓子を通していろいろな人とつながれることはありがたい」と話していた。(田中幸美)

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