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雨と強風の中、富士山の山梨側「吉田ルート」で山開き 弾丸登山対策も開始

産経ニュース 2024年7月1日 19時41分

富士山は1日、山梨県側の吉田ルートが山開きを迎えた。ガイドが引率する団体などの登山者らが富士山5合目から山頂を目指して出発していった。同時に山頂付近の大混雑や山小屋に宿泊せずに、夜間に山頂を目指す「弾丸登山」などのオーバーツーリズム(観光公害)対策として山梨県が始めた5合目にゲートを設置し、通行料2千円徴収を義務化した入山規制も開始。大きな混乱もなく無難にスタートした。

頂上あきらめ下山

1日の富士山は悪天候に見舞われた。昼過ぎまで5合目は雨と強い風に見舞われ、前日までに5合目に入っていたり、8合目などの山小屋に宿泊していた登山者の多くが頂上をあきらめ下山し、ご来光も厚い雲に遮られ、見えなかった。

また、麓から5合目へ向かう富士山有料道路(富士スバルライン)が午前9時まで強風で通行止めとなったため、料金所の前には100台以上の車が行列を作った。長野県からきた30代の男性は「(午前)4時に5合目を出発し、山頂に到着し、午後2時ぐらいに戻ってくる予定だった」というが、5合目到着が10時を過ぎたため「頂上は目指さず、いけるところまでで、引き返す」と話す。

午後は山小屋に宿泊する登山者が中心。愛知県から来た女性は「7合目の山小屋に泊まって、明日ご来光を頂上で拝みたいが、天候が心配」とのことだ。

リストバンドで確認

一方、初となる入山規制は順調な滑り出しだ。ゲートでは警備担当者が通行料2千円を支払った証明に渡されるリストバンドをした登山者らのみを通し、リストバンドがない場合は、総合管理センターの受付で手続きするように促す。外国人観光客も含め、それに従い大きな混乱はなかった。

ゲートは弾丸登山抑制のために、午後4時から翌午前3時まで閉鎖し、混雑防止のために1日当たりの通行者上限4千人とし、これを超えた場合はゲートを閉鎖する。ただ、山小屋宿泊者はこの規制に関係なく通行できる。

関係者によると、外国人も含め山頂までの登山を計画している人は規制をほぼ認識しており、スムーズに進んだという。午後4時のゲート閉鎖も無事終えた。

県の富士山保全・観光エコシステム推進グループの岩間勝宏推進監は「大きなトラブルはなかった」としながらも「外国人登山者が多く、コミュニケーションでは課題が残った」と振り返り、改善を図っていく考えを示した。(平尾孝)

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