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「連続企業爆破」いまだ2人を手配 警視庁150年 63/150

産経ニュース 2024年8月14日 7時0分

安保闘争で高まった学生運動が、仲間同士が衝突する壮絶な「内ゲバ」などで勢いを失う中、既存の過激派に属さず、先鋭化した行動をとる一派が現れる。

昭和49年8月30日、東京・丸の内の三菱重工本社ビルが爆破され、8人が死亡、400人近くが負傷した。犯人グループは「東アジア反日武装戦線」の「狼」と名乗る。「連続企業爆破事件」の始まりである。

グループは狼を名乗る前の46年から、興亜観音(静岡県熱海市)や総持寺納骨堂(横浜市鶴見区)などを爆破。49年には、昭和天皇の乗る御召(おめし)列車を爆破する「虹作戦」という計画も立てていた。東アジア反日武装戦線には、その後「大地の牙」「さそり」の2グループが加わり、大成建設などへの爆破事件も起こしていく。

警視庁公安部は、狼が発行した爆弾教本「腹腹時計」などからたぐってグループの8人を一斉逮捕。残る1人も後に逮捕したが、さそりの桐島聡だけが行方をくらませた。桐島は「内田洋」の偽名で、神奈川県藤沢市の工務店に住み込みで働くなどして潜伏。今年1月、末期がんで入院した際、「最期は本名で」と約50年ぶりに自ら名乗り出た4日後に死亡した。

警視庁が逮捕したメンバーのうち、佐々木規夫、大道寺あや子の両容疑者は、その後「超法規的措置」により釈放され、国外に逃亡。警視庁はハイジャック事件などを起こした日本赤軍メンバーの一員として、今も国際手配している。

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