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機動捜査隊 3隊で「初動」担う 警視庁150年 67/150

産経ニュース 2024年8月22日 7時0分

犯罪発生時、いち早く現場に駆け付け、初動捜査に当たるのが刑事部にある「機動捜査隊」(機捜(きそう))だ。たびたび刑事ドラマにも登場する機捜は、昭和37年10月に2隊体制で誕生した。『警視庁事務年鑑』によると、発足翌月から約1カ月間で、暴力的不良行為者ら179人を摘発。54年9月に現在と同じ3隊編成となり態勢を強化した。

3隊は都内を3分割して担当。あらゆる場所に素早く駆け付けられるよう分駐所も配備されている。警察署の刑事課などを経験した若い警察官も多く、刑事の登竜門ともされる。各隊に約100人ずつ配属され、24時間3交代で勤務。バイクを使い捜査に当たる通称「トカゲ」や似顔絵の作成を担当する捜査員もいる。近年は女性の捜査員も増えているという。

基本的に2人一組で行動し、覆面車両で担当地区を巡回する「密行」と呼ばれる業務にも当たる。常に無線を聞き、殺人や強盗などの重要犯罪発生時には現場に急行し、目撃者の事情聴取や防犯カメラ画像の収集を行う。署の応援捜査をすることもあるという。

隊員は英表記「Mobile Investigative Unit」の頭文字を取った「MIU(エムアイユー)」の青いバッジを着用。誘拐や立てこもりなどを想定した訓練も行っている。近年は特殊詐欺事件や人身安全事件などでも出動し、出動件数は増えているという。警視庁幹部は「機捜の役割はますます重要となっている」としている。(前島沙紀)

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