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戦没者追悼式参列の小学6年生、先の戦争調べ巻物に「伝えていかないと」 曾祖父が戦病死

産経ニュース 2024年8月15日 13時15分

追悼式では戦争の記憶を次世代に継承する青少年代表も献花した。

京都市立久我(こが)の杜小の6年、堤帆南(はんな)さん(12)=同市伏見区=は、「戦争のことはあまり知らなかった。伝えていかなければいけない」と力を込めた。先の大戦では曽祖父の堤惣市さんが亡くなった。

惣市さんは昭和21年7月、出征先の北朝鮮の古茂山で、39歳で戦病死したとされる。食料不足や冬の寒さなどの厳しい環境で過ごし、栄養失調で亡くなったという。カメラが好きで、自身で暗室を設えるほどだったが、写真は焼け、1枚も残っていない。

「若い人が得るものもあると思う」と、祖父の妹の三原直子さん(81)が声をかけ、帆南さんも追悼式に参列することになり、事前に図書館やインターネットで先の大戦について調べた。

「歩兵の一覧が書いてある本を見て、(惣市さんが所属していた)歩兵第148連隊を探した。いろいろなところに移動していたみたい」。収容所での生活についても、食料不足や衛生状態の悪さ、亡くなった人がまるで丸太のように扱われていたことなどに衝撃を受けた。

調べたことは年表にまとめ、巻物の形にした。戦時中の風景や当時の服装などのイラストも添えた。追悼式にともに参列した三原さんは「情報が多くない中、私以上に勉強して上手に脚半の絵を描き、本当に偉い」と話した。

テレビでウクライナ情勢のニュースを見ているとき、父から「おじいちゃんもシベリアに行っていた」と教えてもらったという帆南さん。追悼式に参列する話になる前は「太平洋戦争が何かまず知らなかった」が、今では次の人に伝える意義を考えるようになった。「今日来たことを学校でも話してみたい」。まっすぐな目で、そう続けた。(山本玲)

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