全日空の機内食を手掛けるANAケータリングサービス(東京都)は18日、調理の腕前を競う洋食・製パン部門の「レシピコンテスト」の最終審査を成田市内で実施した。同社で働くシェフたちが、斬新な発想で腕によりをかけた創作料理やパンを披露。洋食部門は坂本浩一さん(46)、製パン部門は山内都子さん(48)が工夫を凝らした作品で頂点に立った。優勝メニューは令和8年度にも、機内食やラウンジメニューとして提供される可能性がある。
コンテストは、従業員の調理技術の向上や、モチベーションを高めたりするために毎年開催。10回目を迎える今回は、洋食部門が「ファーストクラスで提供する魚の創作メイン料理」、製パン部門は、砂糖やバターがたっぷり入ったパン「ブリオッシュ」をテーマに競い合った。
各部門で社内投票などの審査を勝ち抜いたそれぞれ6人が、実際に調理し、「日本の食材の魅力を伝えていきたい」などと、レシピに込めた思いを熱弁。同社の幹部ら17人が、味、原価、見栄え、独創性、説明内容の観点から審査した。
坂本さんはスコットランド産サーモンやホタテをムースにし、エビのすり身やズッキーニで巻いた筒状の料理「バロンティーヌ」を披露。魚介のうまみと野菜の甘みを引き出したソースを合わせ、審査員らの舌をうならせた。
山内さんは塩とゴマをトッピングしたブリオッシュの切れ目に、あんことマスカルポーネチーズを挟んだぜいたくな一品を仕上げた。あんことパンの甘じょっぱさとチーズのコクが絶妙にマッチする。
坂本さんは「味だけでなく、見た目や香りも意識してこだわった一品。優勝は今後の励みになる」、山内さんは「食感にこだわり、とにかくリッチなパンを意識した。2回目の挑戦で優勝は悲願だったので、うれしい」と喜んだ。(松崎翼)