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JR西日本、万博開催に向け大阪環状線でホーム柵の設置進める 利用客増に対応

産経ニュース 2024年10月4日 22時38分

国内外から多くの来場者が見込まれる2025年大阪・関西万博に向け、JR西日本が大阪環状線で転落防止用のホーム柵の設置を進めている。9月には万博開催期間中に1日当たり20万人超の利用が想定される弁天町駅(大阪市港区)での設置工事を公開。JR西は「混雑が予想されるため、ホームの安全性を向上させたい」としている。これまでに大阪環状線の6駅にホーム柵を設置しており、令和9年度までに7駅に増やす計画だ。(秋山紀浩)

弁天町駅では9月28日午前0時すぎ、旧型の通勤電車に積み込まれた約160メートル分の新型可動式ホーム柵が到着し、作業員によって手作業で運び出され次々と固定されていった。

JR西によると、新型ホーム柵は風を受け流す隙間を設けて暴風対策を強化し、重量は従来の3分の2に減らした。柵を設置するためのホーム強化工事の期間を約3カ月短縮でき、コストも削減できるという。

同社が弁天町駅などでホーム柵の設置を進めるのは、万博開催に伴う利用客増に対応するためだ。同社は1日当たりの乗降客数が「10万人以上」の駅を優先してホーム柵設置を進めているが、10万人未満でも「大規模イベントで顕著に利用客増が見込まれる駅」なども対象としている。

弁天町駅の1日当たり乗降客数は5年度で6万7千人だが、万博会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(同市此花区)を結ぶ大阪メトロ中央線に接続するため、万博開催期間中は最大で22万人まで増加するとみられる。同様に、主要な来場ルートの一つで大阪環状線からJR桜島線に接続する西九条駅にもホーム柵を整備した。

JR西は9年度末までに、大阪環状線を含む京阪神地区の25駅にホーム柵を設置する計画。また、ホーム上の屋根などに取り付けたセンサーで利用客の線路への転落を検知し、電車を止めるシステム「ホーム安全スクリーン」も84駅245カ所に導入する方針だ。

同社は「ホームの安全性向上は重要な経営課題。ハード・ソフトの両面からさまざまな取り組みを進めていきたい」としている。

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