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多様性と「消齢化」の時代に3世代コーデ 同じ服をエイジレスに着回す 大人流 素敵の見つけ方(233)

産経ニュース 2024年8月23日 8時0分

令和を象徴するキーワードの一つが「消齢化」。年齢による行動や好みの違いが消えつつある、という意味です。ファッションでも年齢を問わない「エイジレス」や、体形を問わない「サイズレス」なアイテムが浸透しています。今回はスタイリスト、石田純子さんの連載「大人流 素敵(すてき)!の見つけ方」の拡大版。60代の祖母から、40代の母、10代の娘まで3世代が、石田さんによるコーディネート(コーデ)で同じアイテムを着回します。

何を着るかに年齢は関係ない。私が運営するセレクトショップ「ドゥーエ ドゥ」(東京都中央区)には、「母娘で共有したい」と家族で来店する人が珍しくありません。「これいいな」と思った洋服を工夫して組み合わせ、年齢の垣根を飛び越え、その人らしく着こなすのが、おしゃれの楽しさです。

例えば、秋口から長く使える、鮮やかなロイヤルブルーのプルオーバー。身幅がゆったりとしたドルマン袖で、若々しく見えるショート丈です。

まず祖母世代の林俊子さん(68)に合わせたのは、多色使いの花柄ロングスカート。明るい色で華やかさを加え、年齢が出やすい首元を隠すために透け感のあるインナーをのぞかせます。

母世代の奥井清香さん(41)には、シンプルなロングのタイトスカートを。伸縮素材で動きやすく、縦長シルエットで腰回りをカバーできます。首元にプリントスカーフで差し色を加え、スポーティーなトップスに品のよさをプラス。

娘の寿々乃さん(11)はミニスカートとレギンスで元気よく。裾からのぞくTシャツが若さを強調します。ラメ素材の靴下を合わせた厚底ブーツも、世代を問わずに使えるアイテムです。

ブルゾンも着こなしさまざま

ショート丈の黒いブルゾンは、軽く伸縮性のあるコットン製。一見、祖母世代が手を出しにくいアイテムのようですが、実は上半身をコンパクトにまとめてくれるので、羽織りものとして大活躍します。

祖母のコーデは、柔らかく裾が揺れるロングワンピースと合わせて上品に。ハードな印象のブルゾンと厚底ブーツを組み合わせ、甘めのワンピースにシャープさと若々しさを加えます。

母のコーデは、落ち着きのあるイメージに。小さくまとめたトップスに、ワイドパンツを合わせました。腰回りや太ももが気になる人におすすめの組み合わせです。

娘世代は思い切り元気なイメージに。トップスはボーダーTシャツでタイトに、ボトムスは軽いナイロン素材のパラシュートパンツでボリューム感を。ブルゾンのハードな見た目に寄せた取り合わせです。

年齢への思い込みを排して

このように組み合わせを工夫すれば、10代から60代、70代までエイジレスに同じアイテムを着用できます。

娘世代は、はつらつとした若さを武器に旬のおしゃれを楽しんで。母世代は、機能的で落ち着いたコーデがおすすめです。祖母世代は「もう年だから」と尻込みせず、鮮やかな色味や華やかな柄物を選んでみましょう。

年齢や体形を気にしておしゃれに消極的になるのは、もったいないこと。人生100年時代、思い込みに縛られず、気に入った服を自分らしく着こなしてみませんか。

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