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「リメンバーでなくノーモア」「一番伝えたい人もういない」 ノーベル平和賞の被団協本部

産経ニュース 2024年10月11日 19時15分

昭和31年に結成され、原爆被害の国家補償と核廃絶の2つを掲げて活動してきた日本原水爆被害者団体協議会(被団協)。ノーベル平和賞の受賞が決まったのを受けて、東京都港区にある被団協本部には11日、多くの報道陣が詰めかけた。

「被爆者が長年頑張ってきたことが、ようやく認められた。長年ノミネートされ続けていたが、今年もだめだろうと思っていたので驚いている」。被団協事務室長の工藤雅子さんは、感慨深げに語った。

これまでの活動について「1千万の署名を集めるなど、全国の被爆者と支援者で運動を積み上げてきた」と振り返り、「先頭に立ってこられた方々はすでに鬼籍に入られた。(ノーベル平和賞の受賞決定を)一番知らせたい人たちはもういない」と、先人を偲んだ。

「こんな酷い被害は、誰の身の上にも起きてはいけないという思いで立ち上がった運動。『リメンバー』ではなく『ノーモア』の精神だ」と述べた上で、「まだ(原爆被害者に対する)国家補償も、核兵器廃絶も実現していない。今回の受賞でさらに一歩前進させられたらいい」と話した。

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