奈良女子大(奈良市)は10月31日、国の重要文化財に指定されている記念館(旧奈良女子高等師範学校本館)の一般公開を始めた。全4学部の明治時代の標本や裁縫教材なども特別展示している。11月6日まで。
同本館は明治41年2月に着工し、42年10月に完成した木造2階建ての建物。建物の木製フレームを意図的に外に露出させるハーフティンバー形式を採用しており、屋根は中央に塔屋が付属し、屋根裏に採光するドーマー窓も備えている。
ほとんど改変されず昔の姿をとどめており、2階の講堂には開校当時に購入された国内最古級の「百年ピアノ」や長椅子が並ぶ。
同大学では平成6年の重文指定を受け、春と秋に公開している。この日は大学公認サークル「piano(ピアノ)-forte(フォルテ)」によるミニコンサートも開催。11月1、6の両日も午前11時と午後1時に2回開催する。
理学部の剥製標本や骨格標本のほか、昭和34年に理学部を卒業した後に書の道に進んだ岡澤禎華(ていか)氏の写経作品、昭和初期の裁縫のひな型なども展示している。
開館は午前9時~午後4時半(入館は4時まで)。入館無料で申し込み不要。