能登半島地震で大規模な液状化被害を受けた新潟市の被災者を対象に実施したアンケートの結果報告会が17日、同市内で開かれた。1月の発生から半年以上が過ぎても、住宅内の隆起や沈下する箇所が日々変化していき、健康被害を引き起こしている実態が明らかになった。新潟大災害・復興科学研究所の卜部厚志教授は「アンケート結果は行政による地盤対策(液状化対策)の実施が強く求められていることを示している」と話している。
アンケートは、液状化被害が特にひどかった同市西区の坂井輪地区などの約7800世帯を対象に7~8月にかけて実施。回答があった約2800世帯分をまとめた。
液状化被害を受けた住民のうち、「現在も液状化による異変が続いている」と回答した人が半数近くの約500世帯に上った。中には、家の中で隆起や沈下する箇所が日々変化するという世帯もあり、体調悪化といった健康被害も出ているという。
また、被災者が公的な支援を受ける際に必要な罹災(りさい)証明の判定について、「納得していない」と回答した世帯が220世帯と申請者の約2割を占めた。納得していない世帯を対象に、判定見直しのため市に再調査を依頼したかどうかを聞いたところ、2割弱が依頼しなかったと回答した。理由は「再調査すると判定が下がる可能性があると言われたから」(約2割)が最も多かった。
卜部氏は「今回の液状化被害は行政の課題も浮き彫りにした」と話している。