Infoseek 楽天

下北半島と津軽半島の形がかわいいスマホスタンド 就労支援施設のアイデア商品が話題に

産経ニュース 2024年7月15日 10時0分

青森県八戸市の就労支援施設が商品化した、青森県をかたどった木製のスマートフォン用スタンドがX(旧ツイッター)や交流サイト(SNS)などで話題となっている。下北半島を支えにして津軽半島と夏泊半島の間にある青森市の部分に入れると安定する優れモノで、商品名は「よっかがれ!青森」。施設の担当者は反響の大きさに驚くとともに「利用者の励みと県のPRにつながれば」と話している。

一品ずつ異なる木目がアクセントに

このユニークなスマホスタンドを作っているのは、合同会社「ふれ愛プラザあおば」。施設では、障害などで就職が困難な人たちが青森県産ヒバを使った木工製品や消臭グッズなどを作り、販売している。

昨年8月、三方が海に面し、陸奥湾を囲むように3つの半島がある青森県の特徴的な形をしたけん玉「青森けん玉」を発売。けん玉に使用しているパーツに施設の職員がスマホを立てかけた写真をX(旧ツイッター)に投稿したところ、大きな反響があった。そこで、青森けん玉をバージョンアップさせ、青森県の地形を生かした木製のスマホスタンドを開発、商品化することを決めた。

職員が木を青森県の形に切る作業を行い、利用者がやすり掛けを担当。幅が約3・5センチと約5センチの2種類あり、ヒバの香りとそれぞれ違う木目もアクセントとなり、飾り物としても最適だ。スマホだけでなく、テレビのリモコンや写真立てにも使えるという。

ちなみに、商品名の「よっかがれ」は「寄りかかれ」という意味の青森県の方言。文字通り、スマホを下北半島に寄りかからせて使うことから名付けた。

〝遊び心〟で商品企画

5月からメールと施設内の店舗で販売を始めたところ注文が殺到、これまでに200個以上売れる大人気商品となっている。ただ、施設のスタッフ、西村豪(たけし)さによると手作りで手間がかかるため、一日に4~5個作るのが精いっぱいで「注文をいただいても待ってもらっている状態」という。

施設ではこのほか、廃棄される青森県産ホタテの貝殻を譲り受けて作ったスマホスタンドも商品化。貝殻をくり抜いた部分にスマホを立てかけることができるアイデア商品で「スマホ」と「ホタテ」を掛け合わせ「スマホタテ」と名付けた。昨年、東京・国立科学博物館で開かれた催しに出品したところ、好評だったという。さらに、八戸市内の菓子製造業者の協力を得て製作、販売している、せんべいの形をしたコースター「こびりっコースター」も人気の商品だ。

施設が販売しているこれら4商品は、ほとんどが発想の転換とダジャレ、遊び心からできた逸品ばかり。西村さんは「青森県が盛り上がるようなグッズを作りたいということで始めた取り組みだが、利用者はみんな頑張って楽しそうに作っている。売り上げの一部は利用者に還元されるので支援にもつながる」と話している。

価格は、「よっかがれ!青森」800円と1千円の2種類▽「青森けん玉」1800円▽「スマホタテ」1千円▽「こびりっコースター」500円(すべて税込み)。注文はメール(aiplaza-syuro@sub.nifty.jp)。問い合わせは電話(0178・80・7033)。(福田徳行)

この記事の関連ニュース