来春の大学入試に向けた受験勉強もこれから終盤戦。先輩たちはラストスパートをどう乗り切ったのか。立命館大学理工学部1回生の川村彬人さん(19)、京都大学経済学部1回生の清水隼大さん(18)、神戸大学国際人間科学部1回生の来田りのさん(20)の3人に、秋や直前期の過ごし方や心構えなどを聞いた。
--受験生のとき、夏休み明けはどんな状態でしたか
川村 懸命に勉強したのに、模試の結果につながらない停滞の時期でした。苦手な問題を繰り返し解くしかないと思っていました。
清水 僕は慎重な性格。周囲の追い上げを終始感じて辛かった。
来田 計画を立て勉強に取り組みましたが完璧にこなせていませんでした。ただ、自分がやり切ったと思える参考書を1冊作るよう助言され、英単語帳をボロボロになるまで常に持ち歩きチェックしていました。
--みなさんには、受験で使った教材を持参してもらいました
清水 ボロボロでテープで補修したところや、メモの書き込みもあり、本番前に見返し「これだけやった」と自信を持てました。端に「大丈夫」と繰り返し書き込むなど、追いつめられていた痕跡もあります。
川村 僕は物理の問題集。夏以降は常に持ち歩いていました。
--秋から冬は、モチベーション維持が難しい時期ともいわれます。どう乗り切りましたか
清水 志望校に通う先輩に頼み、大学の写真を送ってもらったりしてモチベーションをあげていました。
川村 自分だけ模試の成績が下がるとモチベーションは下がりますが「周りが浮かれている間に勉強時間で追い上げてやる」と逆境をバネにしました。
来田 気分転換も大事。私は昼食後の眠気覚ましも兼ね、通っていた河合塾校舎で階段を上り下りしていました。運動不足も気になっていたので。
清水 それ、ちょっとわかる。僕もやっていたな。
--保護者との関わりはどうでしたか
川村 勉強は自習室、自宅は休む場所とオンオフを切り替えていたのですが、親から「勉強してないやん」と言われ、イライラしてしまったこともありました。
来田 うちは放任主義。「私に興味ないのかな」と誤解してしまうほど何も言いませんでした。その母が受験当日の昼食用の弁当に応援のメモをつけてくれたのはうれしかった。
清水 うちの親もそういうことをしてくれるタイプですが、試験の日はあえてそういうことはしないでと頼みました。冷静に入試に取り組まないといけないのに感極まってしまうと落ち着いて問題を解けないと思ったので。
--後輩のみなさんにエールを
清水 焦りを感じる時期だと思いますが、今まで通り続ければきっと大丈夫。自分を信じて頑張ってください。
来田 浪人時代は自分に不安を感じていました。受験は人生のターニングポイントとも思います。2度目の受験で志望学部を変更するなど将来を真剣に考えました。辛かったけど、今は必要な時間だったと思っています。
川村 現役生のみなさんも文化祭など秋の行事が終わると学校も本格的な受験モードに入りますが、リラックスする時間もつくりながら張り詰めすぎず、乗り切ってほしいです。
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川村彬人(かわむら・あると) 今春、京都府立山城高校を卒業し、立命館大学理工学部ロボティクス学科に在籍。河合塾は高校3年の6月から。
清水隼大(しみず・はやた) 今春、大阪府立北野高校を卒業し、京都大学経済学部経済経営学科在籍。河合塾は高校2年の9月から。
来田りの(きた・りの) 昨春、大阪府立大手前高校を卒業し、神戸大学国際人間科学部グローバル文化学科に在籍。河合塾は高校2年の1月から。