Infoseek 楽天

通算2千安打目前のベテラン、巨人の元ドラ1も…プロ野球選手が直面する「戦力外通告」

産経ニュース 2024年10月12日 9時0分

プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が24日に控える一方で、現役選手にとってこの時期に厳しい現実を突きつけられるのが、球団から来季の契約を更新しないことを告げられる「戦力外通告」だ。第1次期間で発表された90人を超える戦力外通告の対象者の中には、通算2千安打達成を目前に控えたベテラン選手や、巨人にドラフト1位で指名されて入団した選手、日本一のチームを支えた救援投手らも含まれている。対象者は今後、現役続行か、引退の二者択一を迫られる。

日本一を支えた救援投手も

今年の戦力外通告の第1次期間は、9月30日からクライマックス・シリーズ(CS)開幕前日の10月11日まで。各球団はドラフト会議で新たな選手を加える上で、人数が限られている支配下選手枠を考慮するため、多くの選手が戦力外の現実に直面している。

中日は中島宏之内野手を含む5選手の戦力外通告発表した。中島は西武の強打者として活躍し、その後はオリックス、巨人でもプレー。今季中日に移籍したが、1軍では15試合に出場し無安打に終わった。プロ通算1928安打と節目の2千安打が迫っている42歳は球団を通じて「ファンのみなさまの期待に応えられず、悔しい気持ちでいっぱいです」などとコメントした。

DeNAでは大田泰示外野手(34)ら、育成選手を含む10人の戦力外通告を発表。大田は神奈川・東海大相模高から2008年のドラフト会議で巨人に1位指名されてプロ入りした。巨人や米大リーグ・ヤンキースなどで活躍した松井秀喜さんの背番号55をつけていたことでも知られる。

大田は16年、交換トレードで日本ハムに移籍。17年からは4年連続で2桁本塁打を放つなど1軍に定着したが、21年に自由契約となり、DeNAに入団した。プロ16年目を迎えた今季は1軍での出場はなかった。

ヤクルトの対象者の中には、ソフトバンクが17~20年に4年連続で日本一を達成した際、中継ぎの一角として活躍した左腕の嘉弥真新也投手(34)が含まれた。

20代前半でも対象に

30~40代の中堅・ベテランの選手が戦力外通告になるケースが多い一方で、阪神の遠藤成内野手(23)、DeNAの三浦銀二投手(24)ら、20代前半の若手であっても対象になるケースがある。戦力外通告に直面した選手は現役続行を希望するケースが大半だが、引退して野球の世界から離れ、セカンドキャリアを歩む選手も大勢いる。

現役時代に戦力外通告を経験し、現在は会社員としての生活を送る元選手は「プロ野球の世界は誰もが経験できることではないので、すごい強みにはなるが、(元選手という)プライドにこだわってしまうと失敗してしまう」と指摘。その上で「プロ野球選手としての〝強み〟をどのように次の人生に生かすかは、本人の変換の仕方次第」と語る。

第2次の戦力外通告期間は、CS全日程終了の翌日から日本シリーズ終了翌日までとなっている。(浅野英介)

この記事の関連ニュース