「彼がいるだけで大きな助けになった」-。米大リーグ、ドジャースで昨季、史上初の「50-50(50本塁打、50盗塁)」を達成し、4年ぶりのワールドシリーズ(WS)制覇に貢献した大谷翔平選手(30)を巡ってそう語ったのは、大谷とともにドジャースの主力を担うムーキー・ベッツ内野手(32)だ。ベッツは1月21日、都内で行われたイベントにサプライズで登場。試合に臨む際の大谷の様子や、プロ野球ロッテからポスティングシステムを利用してドジャースへの加入が決まった佐々木朗希投手(23)についての印象などについて率直な思いを語った。
大谷夫人の出産控え「今のうち寝て」
大谷とスポンサー契約を結んでいる飲料メーカーの「伊藤園」は、新たに米大リーグ機構(MLB)とドジャースとのパートナーシップ契約を締結した上で、同社の「お~いお茶」がMLBのオフィシャルグリーンティーになると発表。21日に行われた会見にはベッツが登場し、同社の製品をPRした。
ベッツはレッドソックス時代の2018年にア・リーグの最優秀選手(MVP)に選出。20年からはドジャースの主力として活躍し、昨季は大谷と強力な1、2番を形成した。会見では大谷に関する質問が集中したにも関わらず、一つ一つ丁寧に答えた。
チームでの大谷の存在について問われると、「彼は神様みたい。歩くと皆が止まり、写真を撮ったりしている」。昨季のWSで大谷が左肩を負傷しながら、その後の試合にも出場したことについて触れ、「ベストなプレーができないにもかかわらず、打線に(大谷が)いるだけで大きな助けになった。彼がチームの勝利を重要視していることを示している」と野球への真摯(しんし)な姿勢を評価した。
また、「試合の30分前になると、翔平に対してトレーナーがお茶を出しているのを見て、なぜこんなことをしているのだろうと思った」と試合に臨む前の大谷の様子を紹介。「今年は試合30分前には、翔平のようにお茶を飲むようにした方がいいのかな」と笑顔で語った。
大谷の妻である真美子夫人が第1子の出産を控えていることについて、「寝る時間が減るから、今のうちに寝ていた方がいい」とアドバイスを送る一幕もあった。
佐々木は「地球上で最高の投手に」
会見では、ドジャースへの入団が決まった佐々木に関しても質問が飛んだ。
入団交渉の中で佐々木と会食したというベッツは「(佐々木は)本当に優しい性格。翔平や由伸(山本)ともうまくやっていくだろう」とした上で「地球上で最高の投手になってくれると信じている」とエールを送った。
昨季は韓国で開幕戦を迎えたドジャースは今季、東京ドームで行われるカブスとの開幕シリーズ(3月18、19日)に臨む。「とてもわくわくしている」というベッツは、母国に凱旋(がいせん)する大谷に「(2試合で)3本塁打を」と期待した。(浅野英介)