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巨人の元「ドラ1」2人が社会人野球で共闘 ミキハウスで挑む都市対抗・東京ドームの舞台

産経ニュース 2024年12月12日 8時0分

三重県伊賀市を活動拠点とする社会人野球のミキハウス硬式野球部に、プロ野球巨人を戦力外になった高橋優貴投手(27)が入団することが決まった。高橋は2019年ドラフト1位。ミキハウスには今年から16年ドラフト1位の桜井俊貴投手(31)が入っていて、巨人の元〝ドラ1〟が2人所属することになる。都市対抗野球の舞台となるのは、かつての本拠地でもある東京ドーム。プロでは納得のいく成績を残せなかった2人が新天地での〝共闘〟を誓う。

「ドラ1」の先輩が道しるべ

高橋は巨人での6年間で18勝25敗の成績を残した。21年には11勝を挙げて期待されたが、今季は1軍登板がなく、10月上旬に戦力外通告を受けた。約2カ月後の12月5日、大阪府八尾市のミキハウス本社で入団会見に臨み、「いろんな方に相談して、ミキハウスさんで野球がやりたいと思い、現役続行を決意しました」と報告した。

新たな人生の道しるべとなったのは、同じ巨人のドラフト1位の先輩だ。3学年上の桜井には入団当初から世話になり、普段から連絡を取り合う仲だった。戦力外となったことを報告すると、ミキハウスに誘われるのは自然な流れだった。「桜井さんの今年の結果は拝見していて、やっぱりすごいなと思ったので、なんとか追いついて追い越せるようにと思っています」と熱く語った。

社会人野球の難しさと魅力

今季、ミキハウスに加入した桜井は1年目から主戦として活躍。都市対抗野球への4年連続出場と、21年ぶりとなる社会人野球日本選手権出場に貢献した。それでも全国の舞台では勝ち切れず、元巨人といえど、たやすいマウンドではなかった。高橋も2軍暮らしとなった今年は社会人チームと対戦することも多く「レベルが高いと感じた」と理解している。

桜井は「やっぱり一発勝負というところで、常に気を張り詰める。そこはプロとの違い」と社会人ならではの難しさも説明。そのうえで、全選手が1球に全力をかけて凡打でも全力疾走する姿に「大人版高校野球みたい」と魅力も説き、後輩左腕の加入を歓迎した。

元プロ加入で注目度アップ

今年は桜井の他にも元阪神の北條史也内野手(30)が三菱重工West(神戸市・兵庫県高砂市)に加入して活躍するなど、社会人で現役続行を選択する選手も目立ってきている。ミキハウスの陣田匡人(まさと)監督は「社会人野球は日本での認知度はまだ低いと思う。元プロが来てくれることで、盛り上がってくれる」と歓迎。桜井は「高橋も頑張って結果につながって、『社会人でやりたいな』ってプロ、アマ問わず思ってもらえるようになれば」と相乗効果を期待する。

社会人で最高峰の大会の1つは夏の都市対抗で、舞台は東京ドーム。2人にとってはかつての本拠地での凱旋(がいせん)を目指すことになる。高橋は「チームが目標とするものがあるので、そこに僕も加わりたい。野球をやるからには1番を目指していく」と力を込めた。かつて伝統球団の看板を背負った2人を擁するミキハウスの戦いに注目が集まる。(大石豊佳)

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