大阪府岸和田市の永野耕平市長(46)が政治活動で関わりのあった女性から性的関係を巡る損害賠償訴訟を起こされ和解した問題で、永野氏は5日、「辞めるような悪いことをしたわけではないので、しっかり頑張っていきたい」と市長を続投する意向を表明した。市役所で記者団の取材に答えた。これまで説明を拒んできた和解の内容に関しても「説明責任を果たす」として、今後見解を示す考えを明らかにした。
永野氏は、所属する地域政党「大阪維新の会」に3日付で離党届を提出したが受理されず、処分を検討する4日の綱紀委員会を欠席。維新から離党勧告処分を受けた上、8日までに永野氏から説明がなければ最も重い除名処分にするとされた。
永野氏は5日、記者団の取材に対し、離党届が受理されれば市長を続ける可能性を示し、説明を求める維新側の姿勢について「重く受け止めている」と強調。説明責任を果たすとして、「相手方や裁判所に確認して和解調書の内容を話していきたい」と述べた。
また、永野氏は3日の市議会全員協議会で、党から除名処分を受けた場合は辞職する意向を明らかにしていたが、5日の段階でもその考えに変わりはないとした。
維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は5日、府庁で記者団の取材に応じ、永野氏への処分について「(女性側の訴えが)事実ならば本来は除名」と強調。永野氏が維新側に説明する意向を示したことについては「一歩進んだ」との見方を示し、「(続投は)市長が判断することだが、説明責任を果たすべきだ」と述べた。
女性の代理人弁護士によると、女性は「性的行為を強要された」として令和4年6月に提訴。大阪地裁で今年11月、永野氏が解決金500万円を支払うことなどで和解が成立していた。