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関西3空港、発着枠50万回に拡大へ 新飛行ルート案、3空港懇が合意 万博向け準備

産経ニュース 2024年7月15日 20時4分

関西国際、大阪(伊丹)、神戸の3空港の役割を官民で議論する「関西3空港懇談会」(座長=松本正義・関西経済連合会会長)が15日、大阪市内で開かれ、国が示していた関空、神戸の新飛行ルート案導入に合意した。両空港の発着枠が拡大し、来春のダイヤに反映される。2025年大阪・関西万博で増大が見込まれる外国人観光客の受け入れ態勢が整う。

新ルートの導入により、関空の発着枠は1時間当たり現在の45回から60回、神戸(国内線)も1日当たり80回から120回に拡大。3空港合わせて年間発着回数を新型コロナウイルス禍前(令和元年)の約37万回から12年をめどに50万回に引き上げる目標達成に向け大きく前進する。神戸は万博開催時に国際チャーター便、12年をめどに国際線の定期便就航も見据える。

合意を受け、大阪府の吉村洋文知事は「万博とその先の関西の成長にとって極めて重要」と強調。3空港を運営する関西エアポートの山谷佳之社長も「賛同いただけたことを感謝。拡大する航空需要の果実をつかみ、地域と発展していくよう取り組む」と述べた。

現行ルートは明石海峡上空で3空港の飛行経路が重なるなど飽和状態にあり、3空港懇は令和4年9月、新ルートの設定を国土交通省に要請していた。同省は昨年6月、淡路島上空を通る経路を増やし、陸上通過時の高度制限も緩和する新ルート案を提示。関係自治体が、騒音など環境影響などで議論を重ねていた。

今回の合意には、環境監視体制の強化なども盛り込まれた。兵庫県の斎藤元彦知事は淡路島3市との協議を経て、懇談会に参加。新ルート案に理解を示した淡路島の地元関係者に関し「地域振興の観点、地元の安心安全を守るという両面から大変重い判断をされた」と話した。

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