宮崎県南部で最大震度6弱を観測し、日向灘を震源とした8日の地震について、京都大防災研究所地震予知研究センターの澁谷拓郎教授(64)は同日、「日向灘では昭和6年以降、ほぼ30年周期で大型地震が起きている。南海トラフ巨大地震の可能性が直ちに高まったとは断定できない」との見解を示した。
気象庁によると、震源の深さは約30キロ。地震の規模はマグニチュード(M)7・1と推定されている。気象庁は高知、愛媛、大分、宮崎、鹿児島の各県に津波注意報を出している。
澁谷氏によると、日向灘を震源とした地震は6年以降、ほぼ30年周期で発生。最近では平成8年12月の震度5弱の地震発生以降、約28年間の間、強い地震は起きていなかったという。
澁谷氏は詳しい原因や南海トラフ巨大地震との関係は解析中とした上で、「大きな地震の後は地震活動が続くため、しばらくは後発地震に備えてほしい。津波に注意し、高台へ避難を」と求めた。
気象庁はこの地震と南海トラフ地震との関連性について、評価検討会を臨時開催して調査。「南海トラフ地震で被害が想定される地域の方は、個々の状況に応じて、身の安全を守る行動を取って」と呼びかけている。