22日に投開票された大阪府四條畷(しじょうなわて)市の市長選と市議補選で、国内約8年ぶりの「電子投票」が行われた。平成14年に地方選挙で導入可能となり、開票時間短縮の切り札として期待されたものの、相次ぐトラブルなどで途絶えていた。22日夜の開票開始までに目立ったトラブルはなかったが、開票終了までには1時間40分かかった。
電子投票は、投票用紙ではなくタブレット端末を使用。立候補者の選択画面から投票先をタッチし、投票結果は端末のUSBメモリーなどに記録される。
開票所では22日夜、市内16の投票所からジュラルミンケースに入った計約200個のUSBメモリーが運び込まれた。USBメモリーは、職員が流れ作業で市長選、市議補選ごとにパソコンに差し込んでデータを読み取り、開票作業を進めた。
開票所で作業する市職員は前回の約90人から3分の1の約30人に減少。前回は開票に1時間40分かかった。職員の働き方改革と人件費削減になるという。市選挙管理委員会の上嶋卓視事務局長は「疑問票・無効票の解消にもつながる」と話す。
一方、開票結果の発表は終了時の1回のみ。候補者の陣営はやきもきした様子で発表を待った。市選管によると、開票にかかった時間は前回と同じ1時間40分だった。市選管は「データの読み込みはスムーズにいったが、誤りはないか慎重を期したのと、立会人への説明を丁寧に行った結果」としている。投開票でのトラブルはなかったという。
電子投票は平成28年1月の青森県六戸町議補選以降、途絶えていた。