高島屋堺店(堺市堺区)が令和8年1月7日の営業を最後に閉店すると発表されたことを受け、市民からは惜しむ声があがった。政令市・堺市の玄関口で60年営業を続けてきたまちの顔でもあっただけに、閉店後のテナント活用に不安を述べる声もあった。
同店は昭和39年10月に開業。駅前の利便性を生かし、地域密着の店舗として親しまれてきた。近年は、食料品フロアを全面リニューアルしたり市と連携して子育て支援施設を置き、子育て関連商品のコーナーをつくったりするなどして、てこ入れしてきた。
堺市堺区の主婦(70)は「ショックです。スーパーとは野菜や果物も質が違うし、お総菜もおいしく、もう50年くらい通っている。息子の出産のお祝い返しとか進物もここでした」と残念がった。
近くに住む男性会社員(48)は「寂しい。子供のころ親と来て最近は子供と一緒に三代で来ていた。百貨店の閉店はもっと地方の話だと思っていた。近隣に大型ショッピングモールなどが増えたからだろうか」と話した。
閉店後は、建物を所有する南海電気鉄道がショッピングセンターに刷新することも発表されたが、具体的な店舗構成などは未定。約40年前から利用する堺市堺区の主婦(71)は「いろんな思い出もあるので寂しい。この後にどんな施設が入るのかも気になる」と話す。近くの商店街の関係者は「高島屋はブランド力があって年配のお客さんが集まる。あとに入るテナントによっては客層が変わるかもしれず困る」と商業環境の変化への不安も述べた。