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原爆の日79年 長崎被爆2世の柿の木に実 滋賀・守山

産経ニュース 2024年8月6日 16時50分

広島に原爆が投下されてから79年の「原爆の日」の6日、滋賀県内でも犠牲者に思いをはせる追悼行事が行われた。守山市の市民運動公園平和の広場では「平和を誓うつどい」が開かれ、原爆犠牲者をはじめ先の大戦で亡くなった人を悼んだ。

平和の広場には、平成9年8月、平和の祈り像と被爆した旧広島市役所の敷石が設置されており、毎年8月6日につどいが開かれている。

今年のつどいには市民ら約200人が参加。原爆投下時刻の午前8時15分にあわせ全員が黙禱(もくとう)。市立守山北中3年の片岡日葵さん(14)が「平和を守るということは、自分たちの暮らす街を愛する気持ちや、自分たちの生活を大切に思う気持ちの積み重ねなのではないでしょうか」と訴えかけた。

その後、市内の小中学生らは持参した折り鶴をささげ、平和への思いを新たにしていた。

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守山市の市民運動公園では、長崎で被爆した柿の木の2世が今年、初めて実をつけた。「桃栗三年柿八年」の言葉通り植樹から8年の結実に、関係者は「実がつくかどうかは不明だといわれていた。こんな奇跡があるとは」と驚いている。

柿の木は、昭和20年8月9日の長崎への原爆投下で爆心地から約900メートルの地点で被爆し、幹の半分が焼け焦げた。樹木医の海老沼正幸さんが治療し、実った柿から種を取り出して被爆2世の柿の木が誕生した。

戦後70年の節目に被爆の記憶と戦争の悲惨さを後世に伝えようと、守山市遺族会が柿の苗木1本をもらい受け、平成28年3月、公園内の平和の広場に植樹した。

高さ約80センチほどだった柿の木は8年のときを経て、3メートルほどに成長。6月に実がついているのが確認され、現在では4つの実がなっている。

市遺族会の岡本勝一会長(82)は「被爆した柿の木がこの地でしっかり根付き実をつけたことは、平和の尊さを次世代につなぐ絶好の機会だ」と話している。

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