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「おじいちゃん、おばあちゃん、だまされないでね」園児の声で呼びかけ、布施署 特殊詐欺被害防止活動

産経ニュース 2024年6月27日 17時42分

高齢者を狙った特殊詐欺被害が相次ぐ中、大阪府警布施署は地元の子供や大学生と協力し、巡回中のパトカーから音声を流して注意を呼びかける活動を行っている。子供たちの明るい声が、お年寄りの耳に届いてほしいとの狙い。同署は17日、被害防止に貢献しているとして協力した児童らに感謝状を贈呈した。

「ATMで還付金は戻ってこないよ!すぐに警察に電話して!」「おじいちゃん、おばあちゃん、だまされないでね」

この日、声の主である子供たちが見守る中、署の敷地内に止められたパトカーから、かわいらしく、切実な声が流れると、通行人らが足を止めて聞き入った。

取り組みは布施署が企画。4月に地元の保育園・累徳(るいとく)学園年長組の園児や、東大阪市立布施小学校6年の児童の声を録音し、大阪商業大の放送局に所属する学生らが編集した。5月から同署管内を巡視するパトカーからのアナウンスのほか、無人ATMでも利用者に対して流れる仕組みだ。

感謝状が贈られたのは、累徳学園の芝田衣玖(いく)君(5)▽中辻実夕菜(みゆな)ちゃん(5)。布施小の山本帆華(ほのか)さん(12)▽山本真子さん(12)▽北野禄二郎(ろくじろう)さん(12)のほか、大商大3年で放送局局長の山田裕太さん(20)ら8人。山本帆華さんは「少しでも被害が減ってほしい。自分のおばあちゃん、おじいちゃんにも気をつけてほしい」と話した。

布施署によると、昨年1~12月の管内の特殊詐欺被害は42件(被害総額7700万円)だったが、今年は6月14日時点で39件(被害総額1億5500万円)と急拡大している。冨山浩次署長は「子供の声は高齢の方にも届きやすい。不審な電話や『還付金』という言葉には気を付けてほしい」と注意を呼びかけた。(鈴木源也)

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