宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)の宙組劇団員の女性が昨年9月に急死した問題を受け、劇団員らの労働実態を調べていた西宮労働基準監督署(同県西宮市)が、歌劇団に是正勧告したことが6日、分かった。歌劇団と歌劇団を運営する阪急電鉄が発表した。勧告は5日付。内容について同社は「監督官庁や専門家の指導も頂戴しながら、可能なタイミングで説明する」として明らかにしていない。
労基署は昨年10月以降、複数回にわたり歌劇団に立ち入り調査を実施し、法令違反の有無などの確認を進めていた。同社と歌劇団は「是正勧告を重く受け止め、適切に対処するとともに、現在進めている改革に向けた取り組みを続けてまいります」とのコメントを発表した。
女性は昨年9月末に急死し、自殺とみられる。遺族側は長時間労働や上級生らのパワーハラスメントが原因だったと主張。歌劇団側は今年3月、遺族側の主張をほぼ認めて謝罪した。
歌劇団を巡っては、平成12年以降、演出助手の休日割増賃金の不払いや労務管理の不備があったとして、労基署から計4回の是正勧告を受けていたことも判明している。