奈良市で平成16年、市立富雄北小学校1年の有山楓(かえで)ちゃん=当時(7)=が誘拐、殺害された事件から17日で20年となるのを前に、同校で15日、児童らが命の大切さを考える「いのちの集会」が開かれた。児童らは「命を大切にし、一日一日を精いっぱい過ごしてきます」と誓った。
会場の体育館に楓ちゃんの写真が写し出され、全学年の児童が集合して黙禱(もくとう)。当時の楓ちゃんの年齢に合わせて7回、鐘を鳴らした。
事件当時、同校教諭だった後藤誠司校長は「あなたの命も、友だちの命も大切です。大切でない命は一つもありません」と語りかけた。また「楓さん」と呼びかけ、「あなたのことをみんな忘れません」と言葉を結んだ。
楓ちゃんは平成16年11月17日に行方不明となり、翌日、奈良県平群町で遺体で見つかった。新聞販売店員だった小林薫元死刑囚が同年12月に逮捕され、後に死刑判決が確定。25年に刑が執行された。