ヤミ金融業者を巡っては、平成15年に大阪府八尾市の主婦ら3人が業者の取り立てを苦に心中した事件以降、法改正が進み規制が強化された。ただ、大阪府警が6日にスマートフォンの買い取りを装ったヤミ金業者を摘発したように、規制の網をかいくぐるような形で違法な高金利を得るヤミ金業者は後を絶たない。捜査幹部は「時代に合わせて形態を変えている」と指摘。警戒と摘発を強めている。
府警によると、ヤミ金融業者を巡る相談件数は、八尾のヤミ金心中事件が起こった平成15年は約4400件だったが、その後は減少傾向に。令和3~5年は毎年100件を下回り、昨年は75件だった。それに比例する形で業者の摘発数も減少。平成20年には年間80件だったが、令和5年には5件のみだった。
今回、スマートフォンの買い取りを装い、法定利息の最大110倍で金を貸し付ける違法な貸金業を営んだとして、府警が貸金業法違反(無登録営業)などの疑いで逮捕したのは、東京都杉並区の職業不詳、久保純容疑者(46)と大阪市西淀川区のアルバイト、冨樫正成容疑者(32)。
両容疑者らは当初「まるかい」の屋号でサイトを開設していたが、府警が関係先に家宅捜索に入った後は「88買取(はちはちかいとり)」「ニコニコ買い取り」と屋号を変更。さらに、ギフトカードの買い取りを装った「おたから買取」とうたったりして超高金利でのヤミ金営業を続けていた。
府警幹部は「時代に合わせた形で超高金利での違法な営業が続けられている。悪質なヤミ金事案の真相解明を図る」としている。