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ヒルトン、関西での足固め着々 旗艦ブランドを京都で初出店 多様化するニーズ取り込む

産経ニュース 2024年10月9日 17時48分

米ホテル大手、ヒルトンは9日、9月12日に開業した京都初となる旗艦ブランド「ヒルトン京都」(京都市中京区)の開業式典を行った。同社は関西で事業を急拡大。最上位ブランド「ウォルドーフ・アストリア大阪」も来春、JR大阪駅北側の再開発地域「うめきた2期(グラングリーン大阪)」の南館にオープン予定。新型コロナウイルス禍を経て活況を取り戻したインバウンド(訪日客)市場を狙い、足固めを急いでいる。

「わが社にとって長年の願いがようやくかなった」

ヒルトンの日本・韓国・ミクロネシア地区代表のジョセフ・カイララ氏は式典後のインタビューで、ヒルトン京都の出店についてこう達成感をにじませた。

ヒルトン京都は全313の客室に、レストランや直営のスパなど付帯施設も充実。イベントや会議などの「MICE(マイス)」需要を見込み、宴会場を備えたフルサービス型だ。

宿泊代は標準客室で1泊1室5万円から、最高級スイートルームは同18万円から。高額ではあるが、京都市内なら良心的にも見える価格帯。9月の開業後は「連泊を多く取り込めている」(同ホテル社員)といい、近隣に20万円超の競合宿もある中で価格戦略がうまく運んでいる可能性がある。

京都市内では同ホテルを含め、令和3年以降の3年間で5軒を出店。「LXR」「ダブルツリー」など価格帯やサービスの異なるブランドを京都で一気にそろえた。

関西は京都、大阪、神戸を中心に観光資源が集積するエリア。同社は日本国内で7ブランド、29軒を展開しているが、このうち関西は6ブランド、9軒を占め、いずれも首都圏を上回る。

インバウンドが多く、多様化するニーズの受け皿を用意するには、旗艦ホテルを中心に複数のブランド展開を図るのが定石だ。「(さまざまなニーズを求める)すべてのお客さまをつなぐことができた」とカイララ氏は手応えを語った。(田村慶子)

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