江崎グリコは30日、今年4月に生じた基幹システム障害によるチルド食品の出荷停止について、全面復旧のめどが立ったと発表した。一部の商品から段階的に再開していたが、11月5日以降に残り8品目の出荷を再開し、影響のあった全79品目が約7カ月ぶりに全面復活する。
今回、再開のめどが立ったのは「BifiXヨーグルト すっきりアロエ 330g」「おいしいカスピ海特選生乳 100% 400g」など8品目。
同社は今年4月、調達や出荷、会計などの業務を一元管理する独SAP社製「SAP S/4HANA」に基幹システムを刷新。その直後に物流センターの実在庫とシステム上の在庫が合わない不具合が生じ、「カフェオーレ」「プッチンプリン」など17ブランドあるチルド食品のほぼすべての出荷を停止した。
その後も再開作業が難航し、当初5月中旬を目指していた全面復旧が大幅に遅れ、6月から4度に分けて少しずつ再開を進めてきた。販売を受託しているキリンビバレッジの一部飲料にも影響が広がっていたが、同社の対象全37品目は9月下旬に全面復旧している。(田村慶子)