4月1日付で南都銀行の次期頭取昇格が決まった現副頭取の石田諭(さとし)氏(50)は今月4日の記者会見で、「大役を担うことになり身が引き締まる思いだ。南都銀と地域の可能性を感じており、奈良県の発展の核となる銀行を目指したい」と語った。
石田氏は第一勧業銀行(現みずほ銀行)を振り出しに、企業再生を手掛ける政府関与の特殊会社・産業再生機構、金融庁などを経て令和元年に南都銀に入行した異色の経歴の持ち主だ。南都銀では外部出身の頭取人事は初めてで、全国の地銀では現職で最年少の頭取となる。
会見で、石田氏は「健全な自己収益率の高い経営、顧客に信頼される人材の育成の2つが重要だ。次の中期経営計画で具体的に示したい」などと語り、奈良の経済について「観光のポテンシャルが圧倒的に高い」と述べた。
また、会長に就任する現頭取の橋本隆史氏(70)は「昨年6月に創立90周年を迎え、次の100周年に向けた成長には新陳代謝が必要だと考えた。改革の継続とさらなる発展の能力と胆力があると確信している」と抜擢(ばってき)の理由を語った。